第67章 本音
彼は真正面のガラスから
外を見ながら考えていた
私はその横顔を見るのも怖くて
外の景色を見つめ続けていた
長い沈黙の後に彼がやっと口を開いた
大倉「・・・付き合って行く上で
一番大事なモノはなんやと思う?」
「・・・・大事なモノですか?」
答えを必死で私が考えていると
彼は少し悲しそうな表情で
待っていた
「相手を思いやる事ですか?」
私は小さい声で答えた
すると
彼は目線をまた前に向けて
大倉「俺は、
自分の気持ちやと思うんや」
何も言わずに彼を見た
大倉「気持ちがなかったら
嘘になってまうし
すれ違ってしまうと思うねん」
彼は言いながら
私に目線を向けなかった
ただ前を見て
自分に言い聞かすように言っていた
「・・・・それは
もう気持ちがないという事ですか?」
私は勇気をだした
その言葉に反応するように
彼は静かに私の方を向いた
その表情は
静かな表情だが
どこか寂しそうでもあった
「・・・・・・」
私も無言で彼を見つめると
その私の表情を見て
彼はゆっくりと口を開いた
大倉「俺は何をしても
アンタの前の人には勝ってんねん」
その言葉に私は首を振った
そんな私を見て彼は少し微笑むと
話を続けた
大倉「俺だって、意地やプライドあるし
好きな女の心に
いつまでも違う男がおったら
やっぱり許せんし・・・・」
その言葉に驚いていた