第5章 夜景
空気がとても気持ち良かった
目の前に大きな夕日が見えていた
私が、夕日に見とれていると
大倉「どう?綺麗やろ....」
彼は嬉しそうに言った
私は、命に似た夕日を見つめ続けた
今にも消えそうな夕日を
大倉「ほんまに見せたいのは
これちゃうんやけどな」
彼はそう言うと歩き出した
私は無言のまま
彼の背中を見ながらついて歩いた
後ろから見ても
背が高くってスタイルがいい
なぜこんな人が私と歩いているのだろ
なんの気まぐれで
彼は、私と歩いているのだろうか
彼の背中を見ても
答えがあるわけでもなく
私はため息をついていた
そのため息に彼は気が付いたのか
大倉「どないしたん、疲れた?」
「いえ、何もないです」
私は、静かに答えて俯いた
大倉「もう少しやからな」
そう言うと、また進み始めたのだ
私は考えていた
彼と一緒にいると
思い出したくない過去が蘇ってくる
今日が終わったら
彼とは二度と会わないでいようと
私は彼の背中を見て一人で決めていた