第4章 敬天愛人!?クミコ様*
翌日、やっとのことで
睡魔に打ち勝ち、リビングへ
降りてくると
母がインターホンカメラの
前で停止していた。
それは私が起きる数分前のこと。
いつものように我が娘の
お弁当をつくり、朝食の準備を
せっせと行っている時であった。
「愛ちゃーん!
早くおきなさーいっ!!」
必死に呼びかけても
一向に降りてこない我が娘(私)
いい加減しびれを切らした
母は、眉を寄せて階段を上ろうとした。
だが。
…ピンポーン
「!っ はーい!」
忙しい早朝での
突然鳴り響いたインターホン。
顔が鬼になっていた母は、
すぐに苛立ちを静めて
インターホンカメラの前に立った。
スイッチを押して見えた人物は…
!!? 男の子だった。
当然男の子の時点で
驚いた母だったが、さらに驚いたのは…
「ど、どちら様で…?」
「! 来たぞ。」
「あっ、え、えっと…」
返事に戸惑い、
つい顔が苦くなる。
すると、そんな困っている様子に
向こうから気づいてくれたのか、
画面の男の子は
目を見開いてなるほど、という顔をした。
「すまなかった。」
「え?あ、いえいえっ…あははっ…」
「えっと、」
「…。」
「! 愛の彼氏です。」
「そうでしたか!…えっ!!?」
この時、母は完全に停止した。
…そして今に至る。