第2章 おかしなクラス*
「よ、宜しくお願いします。」
現在、クラスの前で
私の自己紹介中である。
まあ転校生だから
当たり前なのだろうが…
随分と緊張するものだ。
盛大な拍手が鳴り止むと、
窓側の席の少年――いや、
管理人が立ち上がった。
「彼女は愛ちゃんだ。
席は僕の隣。近日彼女の
歓迎会をやる。
皆、何か出し物を用意してくるように。」
…か、歓迎会!?
そんなもの、学校でやるのか!?
クラス全体を見渡すと、
当たり前、というように皆
それぞれ話し合っているようだった。
(…ふ、不思議だな…)
黒板の前に呆然と立ち尽くしていた私は、
管理人の手招きに気づき、
一礼して席へと戻った。
「自己紹介、かなり良かった。」
管理人はそっと微笑む。
「は、はい…でも、あの…っ」
「ん、なんだ。」
「か、歓迎会なんて…
そんな私の為にやってくださらなくても…」
視線をずらしながら、
か細い声で話す。
管理人は、表情を変えずに
こう言った。
「これが僕のクラスだ。」
(僕のクラス…)
そんなこと言われても、
イマイチ理解が難しい。
ずっと目を伏せていた私に、
管理人は静かに声をかけた。
「…勿論君が不快に思うのなら
歓迎会なんてやらないよ。
ここはクラスメイトが第一だから。」
ゆっくりと顔をあげると、
管理人は少し悲しそうに笑っている。
…わざわざ企画を
持ち出してきてくれたのに
なんだか申し訳ない。