第2章 プロローグ
家へ帰ると、叔父さんはまだ帰ってきておらず、俺は鞄を部屋に置くと、お湯を沸かした。
「んーと、確かここに…………あった」
叔父さんはお酒を飲むのが好きだ。今日も沢山飲むだろうからおつまみをたくさん出す。すると、玄関の扉が開く音がする。
「おかえり!叔父さん」
「ああ、ただいま。済まなかったなここ何日か帰れなくて」
叔父さんから弁当とお酒の入ったビニール袋を受け取ると叔父さんが言った。
「大丈夫。もうひと段落ついたの?」
「ああ、まあな。今日からは早く帰れそうだ」
「そっか。お疲れ様」
「ああ。ところで友喜、俺がいない間変わりはなかったか?」
不意をつかれて頭が真っ白になり思わず、
「……う、ううん。普通通りだったよ。」
と答えてしまった。叔父さんは俺の動揺したことには気づいていないようだった。そうかといい、椅子に座りビール缶を開けた。
「………たしかお前はB組だったな。」
「う、うん」
「E組という組があったらしい。校舎から離れたところに教室があるのだがお前は知ってたか?」
「う、うん」
「詳しいことは言えないのだが、お前E組には近づくなよ」
ビクッと体がなる。叔父さんは何らかのことでE組の存在を知り、E組に近づくなと言う。E組に落ちてしまったと打ち明けたらどうなるんだろう。怒る?失望する?悪ければ追い出される?
「…………わかった」
とうとう叔父さんに打ち明けることは無かった。