第5章 気づけば修学旅行
「………寺坂。やっぱり離れて歩いて」
「あ?なんでだよ」
俺は寺坂の言葉に呆れたため息を出した。今、俺たちは村松の家に向かっていた。しかし、そこに行くためには、人通りのいい道を通らなければならない。その間、何故かテンションの高い寺坂たちは俺の肩を代わる代わる組んでくるのだ。
「……ちょっと、あれ…」
「ナンパ?」
「警官いないの?」
ただただ周りの目が痛いのだ。俺は無理やり彼らの腕を解き、俺は狭間さんの隣に並んだ。ふぅとため息をつく。
「あんたも大変ね」
俺は彼女の声掛けに肩をすぼめて返事を返した。寺坂たちは不服そうだったが、村松の父親が営業するラーメン屋が見えると、走り出した。