第5章 気づけば修学旅行
「おはよう友喜。もう大丈夫なの?」
朝すっかり良くなった俺はいつものように校舎の自転車置き場におき、山道を登って行くと、渚にあった。
「おはよう渚。もう大丈夫。ありがとう」
「よかった。あ、そういえばもうすぐ修学旅行だよね。友喜はどの班になるの?」
あっ、そっか。もうそんな時期か。
「んー、まだ決まってないんだよな。」
「じゃあさ、僕の班においでよ。僕杉野に誘われたんだ。あとは奥田さんと茅野とカルマくんも一緒。」
「いいの?ありがとう。」
そう言っている間に教室に着く。
「おう、友喜。今日こそ付き合ってもらうぜ。」
いつの間にか後ろにいた寺坂が俺に抱きついてきた。
「はいはい。」
俺らのその光景を見て、
「うっわー。寺坂が無理やりナンパしてるようにしか見えないわ。」
「傍から見たらそう見えるよな。」
「ないわー寺坂ないわー」
とボソボソと言う中村たち。
「寺坂!友喜くんに絡むな!」
「なっ!なんでお前に指図されねぇといけねぇんだよ!」
原さんが寺坂に怒鳴る。あ、忘れてた。
「原さんー。これもしよかったら。昨日のお礼」
「えっ!?これ………もしかして………手作り!?」
朝急いで作ったゼリー。黄色の色をつけ、中身はフルーツの果肉を入れた。叔父さんも食べれるように金箔をつけて大人っぽくしたら、完成。
「おい!俺にはねぇのかよ!」
「あるわけないじゃん」
なんであると思うんだよ。
「うっわー、嬉しい!ありがとね!」
嬉しそうな原さん。作ってよかったな。