第5章 ヒルのウサギ
何しに来たのー?と問いかけると、神威は暇だったからだよ。と返された。
…じゃあ自室帰れよ!
『……神威は』
「?なんだい」
『…この前の侵入者の件ってさ、どう思ってる?』
顔を上げ、枕にぎゅっとしがみつく。
「…どうだろうね。元老(うえ)は簡単に片付けちゃったけど…」
『けど、まだ疑ってるよね〜〜!』
「面白いじゃないか。阿伏兎とサクラが気づかなかったんだよ。」
『ほんと。久しぶりに大物が現れたかもね!』
『「ワクワクするよ」』
『(それに、男だから力もある。夜兎にはうってつけだよね!………ん?男…?)』
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22:41
春雨の地下。
真っ暗な巨大倉庫と化した場所に、一人の女性。
プルルルル…
響く着信音。彼女は電話を繋ぎ、相手の男へ返す。
「Hello?」(もしもし?)
''The time of the mission is long!''(ミッションの時間が長いぞ!)
「No problem. Or…I may fail?」(問題ないわ。まさか、私が失敗するとでも?)
''This degree mission end it early!'' (この程度のミッションなら早く終わらせろ!)
「…I have my way!」(…っ私には私のやり方があるの!)
''………''
「Please understand it…!」(それくらい分かってよ…!)
''…There is the next mission. End it by today'' (…次のミッションがある。今日までにこのミッションを完了しろ)
「Today!?」(今日!?)
''Until afternoon of today'' (今日の午後まで待ってやる)
「Impossible…!」(そんな…!)
ここで相手から通話は強制終了した。
彼女はすぐさま今の時間を確認し、スマホを強く握り締める。いまにもヒビが入りそうな強さで。
スマホをポケットにしまい込むと、その場から去ろうとした。