第1章 月が綺麗な夜
私が目を開けると
そこは薄汚い倉庫だった
何やら、そこら辺で声がするな……
私は耳を傾けた
「しかし、連れて来たのは良いがどうするか……」
「今回のムーン祭りはこれを使う」
「釘とトンカチですか?」
「それを頭に刺す」
「おお!随分と凄いですね!」
「だろ?」
もしかして、それを刺されるの?
そんなの嫌だ!
私は逃げ出す方法を探した
するとそこにはナイフがあった
私は一部を切り取りそこから抜け出した
今日はあのふたりだけだったから
良かったものの、いっぱい居るならば確実に
死んでいただろう
私は走って森の奥に逃げた
その頃には辺りはすっかり夜だった
きっと街は大騒ぎだろうな……
それにしても、月は綺麗だな……まるで吸い込まれそうな感じで……
その瞬間、私は意識が遠のき始めた
『何で……そんなに眠くないのに……』
そして、道端で倒れた