第1章 月が綺麗な夜
しかし、警察も頼りにならなかった
「だって、娘さんはムーン祭りの巫女に選ばれたんだろ?それは凄い事じゃないか!」
『何を言ってる!娘は無理やり連れて行かれたんだぞ!』
「だから、それに従わないあんたらが悪いんだろ?」
『このっ!』
俺は警察の胸ぐらを掴んだ
「ちょっと貴方やめさいよ……」
妻に言われ、俺は掴むのをやめた
「てなわけで、それは掟なので仕方が無いですよ?」
そう言われて締められた
『……くそっ!』
俺は悔しい気持ちでいっぱいだった
「行きましょ……」
『ああ……』
俺らは渋々家に帰ることになった
どうしたら救えただろうか……
「初めての外なのに…… エリーナ には逃げて欲しかったわ……」
そう言った直後電話が掛かってきた
「はい、もしもし……ええ……居ませんけど…… エリーナ がどうしたんですか?…………えっ!?居なくなった!?
分かりました、私達も探します」
『 エリーナ は!?』
すると妻は笑顔で言った
「逃げてるそうよ!」
『良かった……見つからないと良いけど』
「そうね……」
いや、 エリーナ なら行ける……
父さん達も願ってるからな……