たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第6章 甲音
その夜から歌仙は何度も主を抱いた。今まで歌仙が溜め込んでいた欲求を、主は自らの体で受け止めてくれた。
小柄で、まだ体が成長しきっていない主が大柄の歌仙とまぐわうのはかなり体力を使い、情事の翌日は一日中歌仙が看病する、という日も珍しくなかった。
しかし主は歌仙との情事を一度も苦と思っていなかった。それどころか
「僕が体を捧げることで歌仙さんが癒されて、前みたいに苦しい思いをしないないのであれば、もっと体を差し出しても良いくらいです。」
と、自分の体の事よりも歌仙の心、そして本丸の事を考え、案じていた。
そんな主を歌仙は堪らなく愛しく思い、全力で支え続けた。
だが、そんなある日。主は「中学校の友達に会ってきます」と言って本丸を出て、そのまま帰って来なくなった。
そして主と一夜を共にしてからちょうど二ヶ月後、今の主がこの本丸へ、来た。