たたらシンフォニックオーケストラ~刀剣男士のための
第5章 「白雪姫より口笛吹いて働こう」初演奏と遡の始動
「遡」
薄暗い部屋の中、一人でいた。さっきまで使っていたであろう机にはグシャグシャに潰された紙屑が幾つも転がっていた。
今先程まで書いていたのは歴史修正に関する計画書であった。まぁ計画書といってもこれからする事を箇条書きしただけの物だ。
しかし本来ならば計画書は数十分で書き上げ、遡は安眠するはずだった。しかしこの前、県民会館で会っていた上司(自分は変態上司と呼んでいる)が「これじゃつまんないよぉ」「全~然派手じゃない」とやり直しを命じてきたため結局その夜は眠れなかったのだ。
「変人め」と悪態をつきながら、立ち上がる。一晩中座っていたため関節が痛かった。