第10章 打ち明ける➡︎打ち解ける
達央とメールしてから10分後、事務所に1番会いたかった人の姿が見えた。
私は飛びついた。
そして抱き締める。
「…やっぱ達央の匂いが落ち着く。」
「はいはい…俺の匂いは後で嗅げるだろ。」
そう言って達央は私の頭をぽんぽんと触り、お姫様抱っこをした。
「ちょっ、達央!降ろして…」
私は達央の身体に頭をぐりぐり押し付ける。
「俺は嫌だもん。ってか、交際発表したし、いいだろ。」
達央はそのまま事務所を出て私を助手席にのせた。
車の中まで達央の匂いがする。
「達央って呼んでくれた〜!俺、ホッとしたわ」
ニヤニヤしながら私を見にくる。
「うっさい…」
恥ずかしくなって目を逸らした。