【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第10章 番外編
「ほーら、そのへんにしとけ。調子乗ると怪我すんぞ。」
見かねた菅原が後ろから立花を抱えて降ろす。
「じゃあ、俺たちは授業でもう行くから。みーは大人しくここで待ってな。」
「ひとりで?」
「そう。」
「えーー……。」
頬を膨らませてあからさまに不満顔を見せる立花。
「昼休みには様子見に来るから。それまで絶対外でるんじゃないぞ。見つかったら大変なんだから。」
「手だけはー?」
窓から腕を出してブンブンと振って見せる。
「手だけも足だけも顔だけもダメ!」
菅原がそう言って立花の脇をくすぐると、
「きゃーっははは!!」
楽しそうに笑い声をあげて身を捩る。
「兄妹みたいだな。」
「ほんと。」
皆が半分呆れながら二人を眺めていると、予鈴が鳴ったのでバタバタと部室を出て行った。
「こうちゃん、いってらっしゃい!」
最後の一人になった菅原に向かって立花が声をかけた。
(あー、かわいいな!)
思わずしゃがんでぎゅっと抱きしめる。
「良い子にしてろよ。昼休みになったらダッシュで来るから。」
「うんっ」
頬をすり合わせると、立花はきゃっきゃと無邪気に笑った。