【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第3章 秋祭り
結局、菅原が一番多くすくった。
田中の西谷が大げさに悔しがる。
「うわああ。スガさんほんと器用ですね。完敗です。
潔子さんへのプレゼントできるなんてうらやましいです。」
田中が菅原の背を押して清水の前に連れて行く。
「はあ?お前があげればいいじゃんか。
俺別にそんな勝負乗ってないべ。」
「何言ってんすか。初めからそう言う話でしたって。
スガさんがそんなんじゃ俺も西谷も浮かばれませんって。」
菅原は困ったろように頭を掻いてから、
諦めたように清水に向き直る。
「と、いう訳だからさ。清水、嫌じゃなかったらもらって。」
透明のビニールの中で戯れながら泳ぐ数匹の金魚を差し出す。
清水は少し戸惑った表情を見せていたが、
おずおずと手を伸ばしてそれを受け取った。
「ありがと。」
立花はそんな二人を眺めながら、ちくりと痛む胸を押さえた。