【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第10章 番外編
「……本当にこうちゃんなの?」
当時一緒に通っていたスイミングスクールの帽子の色を当てたところで、ようやく立花は信用したようだ。
「そう、やっと信じてくれた?」
「なんでこうちゃん急に大きくなったの?」
彼女のその質問に、菅原ははっとする。
すっかり彼女が小さくなったのだと思っていたが、もしかして俺が大きくなったのだろうか。
その可能性は全く思い至らなかった。
慌てて部屋を見渡すと、壁には201×年のカレンダーはかかっているし、クローゼットには烏野高校の制服もある。
それらを確認してから改めて立花に説明する。
「俺が大きくなったんじゃなくて、みーが小さくなったの。昨日まではお前は俺と同じ18歳だったんだぞ。
今着てるぶかぶかの服がぴったりだったんだから。」
立花は余った袖から手を出して、まだ釈然としない表情をみせた。
「俺、朝練行かなきゃだしなあ……。うちも今日は誰もいないんだよ。とりあえず着替えだよな。
子供の時の服なんて残ってるかな……。」
菅原はぶつぶつと言いながら、衣装ケースの奥底を物色し始めた。