【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第10章 番外編
「え……。」
「お兄さんだれっ?こうちゃんは……?こうちゃんどこ?」
ばっと立ち上がって逃げ出そうとするが、裾の余った部屋着のせいで転んでしまう。
ぼふっと音を立てて、小さな体がベッドに沈む。
(俺のことをお兄さんって言うってことは、中身まで子供になってるな。コ○ンとは違うか……。)
彼女を助け起こしながら、菅原は冷静に考える。
ベッドの上に座らせるが、立花の表情から軽くパニックを起こしているのが分かる。
「俺がこうちゃん、菅原孝支。ちなみに18歳。」
目線を合わせて、なるべく穏やかな声音で言う。
「……こうちゃんは私と同じ8歳だよ。昨日おとまりして、一緒に寝たの。こうちゃんどこ?お兄さんは本当はだれ?」
その反応に、うーん、と唸るしかない菅原。
じいっと彼の顔を見つめてから、顔は似ていると判断したらしく、少しだけ表情が緩んだ。
「こうちゃんの親戚の人?」
「親戚じゃなくて、本当に菅原孝支。ほら、ここにほくろあるだろ?」
「……うん。」
「みーのことはなんだって知ってる。ええと、8歳ってことは2年生か……」
菅原はそれから、当時の担任の先生の名前、仲のいい友達の名前、好きな食べ物、流行っていた遊びなどを記憶の限り言い当てた。