【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第10章 番外編
(落ち着け、俺……。)
菅原は目を閉じて、大きく深呼吸をする。
ふうう……
息を吐いて、目を開く。
(どうなってんの、これ。)
自分のベッドでスヤスヤと寝息を立てている彼女を見入る。
まず、状況を整理しよう。
昨日から立花の両親が出張で不在になるので、菅原家で預かることになった。
夜ごはんを食べて、風呂に入って、寝る。
その段階では特に変わったことはなかったはずだ。
立花をベッドに寝かせ、自分は布団を敷いて寝た。いつものことだ。
今朝、まさに今、彼女を起こそうとしてベッドに目を向けると、そこに眠るのは菅原の知っている彼女とはまるで別人、というよりもこれは……
(みーが、子供になった……?)
いまだ呑気な顔で眠っている彼女は、女子高生の立花美和ではなく、小学生、それも低学年の頃の彼女だった。
幼馴染としてずっと一緒にいたのだから、昔の彼女の顔も知っているし、その見識に間違いはなさそうだ。
しかも、彼女が昨夜着ていた部屋着をそのまま身にまとっているので、これは恐らく……
(縮んだってことか……?名探偵コナ○的な?)
どうしていいか分からずに、黙って彼女を見つめていると……
「ん~……」
立花が目を覚ました。
「お、おはよう……。」
まだ半分寝ぼけている立花にあいさつをする。
もぞもぞと起き上がる立花。
「……だれ?」
彼女は菅原の顔をみるなり眉をひそめて、掛布団をぎゅうっと抱きしめて、ベッドの端まで逃げていく。