【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第8章 素直、ときどき
「熱あるんだし、少し休んだら今日はもう帰りなさい。
受験生なんだから、他の生徒にうつしても悪いでしょ。」
保健室の先生にそう言われ、ベッドの中で立花ははい、と返事をした。
先生が出て行ってから、菅原がカーテンを開けて顔をのぞかせた。
「大丈夫か?あ、そのままでいいよ。寝とけ。」
起き上がろうとした彼女を手で止めて、ベッドの脇にしゃがみ込む。
目線を立花に合わせてから、彼女の額に手をのせる。
「たしかに少し熱いな。帰って薬飲んで寝てれば治るよ。
部活終ったら様子見に行ってやるから大人しくしてな。おばさんは今夜は遅い?」
「たぶん、そんなに遅くない……。」
「じゃあ大丈夫だな。」
よしよし、と優しく頭をなでられて立花は表情を緩める。
「こうちゃん、いっぱい怒ってごめんね。」
ケンカしていたことなんてすっかり忘れていた菅原は完全に不意をつかれた。