【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第8章 素直、ときどき
しかし学校についても立花は菅原のことを避けていて話すタイミングは一切なかった。
「お前らまだ喧嘩してんのか。」
澤村が呆れる。
「俺はそんなつもりないんだけど、どっかのバカがいつまでも根に持ってるみたいでな。」
わざと教室の隅にいる立花にも聞こえるように大きな声を出すと、立花は振り向いてキっと睨みつけた。
「スガ、煽ってどうすんだ。」
はあ、と澤村はため息をついた。
「進路指導の書類、立花まだ出してないみたいだから催促してくれって担任から頼まれてるんだけど、スガが言っといてくれるか。」
これは澤村なりの厚意だったのだが、今の彼には効果もなく。
「……いま俺忙しいから無理。次の英語あたるから単語調べないと。」
菅原はそう言って教科書を開いてしまう。
「お前なあ……。」
澤村は仕方なく一人で立花の方へ向かった。
(なんだかんだ世話やいちゃう俺も良くないのか……。)
そう思うが、いつまでも目の前で険悪な空気を流され続けるのも精神的によくない。