【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第7章 アザレア
「なに?話って。」
「あの……。」
いざ清水を目の前にすると何から話すべきなのか戸惑ってしまう。
「なに?」
まっすぐに彼女の視線を受け止めて、清水は立花の言葉を待っている。
「私、こうちゃんと、付き合うことになりました。」
立花は早口にそう告げた。
先ほどの澤村の言葉を思い出して、謝りそうになるのをギリギリのところで堪える。
怒るだろうか、不機嫌になるだろうか、無視されるだろうか。
立花は不安になりながら清水の表情の変化を読み取ろうとした。
ところが、
「そう。おめでとう。」
清水はそう言って笑って見せた。
「えっと……ありがとう?」
あまりに予想外の反応に、立花は呆然とする。
「なんで疑問形?よかったね。そうなるだろうなと思ってたけど。」
「ええ?」
「だいぶ遠回りしたけど、卒業までに収まってよかった。私も嬉しい。」
「潔子ちゃん……。」
「よかったね。」
清水はもう一度そう言って立花の肩を叩いた。
「ありがとう……。」
それから立花は、教室に戻ると、澤村のところへ駆け寄った。
「澤村君、すごいね!潔子ちゃんって本当にすごいね。
私もあんな女になりたい!」
そうまくし立てると、澤村は自分が褒められたように嬉しくなった。
「ああ。清水はすごいよ。」