【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第7章 アザレア
「いいよ、まとまってなくても。とりあえず言ってみな。」
澤村が彼女の心を読み取って促してやると、ぽつぽつと声を出し始めた。
「えっと、潔子ちゃんに、すごく失礼で無神経なことしたなって思ってて、
でもこんなこと思ってる時点ですごく傲慢なんじゃないかとか、
でもどんな顔して潔子ちゃんに会ったらいいのかも分からなくて……えっと、意味、分かる?」
「ああ、分かる。」
澤村は少しだけ苛立ったが、それを顔に出さずに返事をした。
「そもそも私の勘違いだったのかもしれないけど、潔子ちゃんはこうちゃんのことを好きなんだと思ってて、
だからあんなこと言ったんだけど、
今にして思うとそのこと自体すごくでしゃばったことだったなって反省してて。
しかも結局こういう事態になってしまって。
なんかもうほんとなんなの私、私が潔子ちゃんの立場だったら不愉快だと思う……。
ていうかこんな女子の事情を澤村君にべらべらしゃべってる時点でどうなのとも思うし。
ああもう、ごめんなさい謝っても意味ないし絶対許されないけど……。」
「まあ、清水はさ、できる奴だから。」
「……うん。」
立花は俯いたまま短く頷く。
「でも、立花は分かってると思うけど、全部が丸く収まるとは限らないかもな。」
「……うん。」
「まだ清水はお前たち二人のこと知らないはずだからさ。せめて自分で言ったら。」
「そうだね……。うん、そうする。」
「その時には、今俺に言ったみたいに妙に謝ったり後ろめたい態度じゃないほうが良いと思うぞ。
そういうの、立花の良くないとこだと思う。ちょっとイラっとするから。」
澤村の厳しい口調に、立花は身を小さくする。
「……うん。ごめん。」