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【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)

第7章 アザレア


「あと、今夜は立花家はチゲ鍋なんですけど、こうちゃんも食べに来ますか。」

立花が遠慮がちに提案する。

「おう、行く行く。最近おばさん帰り早いな。」

「うん。おかげでちょっとうるさい。ごはんたくさん食べろとか早く帰ってきなさいとか。」

立花はまだ半分くらい残っているお弁当をつつきながら文句を言う。

「そう言うなって、おばさんだって心配してるんだからさ。」

「だと思うけどさ……。」

立花はおもむろに、おかずのハンバーグを菅原の口の前に持っていく。
反射的に彼が口を開けてそれを食べる。

「おいこら、自分で食え。」

それを咀嚼しながら指摘されて、立花は笑いながら

「こうちゃん自分で食べといてそれ言う?」

今度はほうれん草を口の前に持っていく。
楽しそうに笑う彼女が嬉しくて、つい食べてあげてしまう。

「こうちゃんが食べるとこ見るの好きかも。かわいい。」

「あーもう、自分で食べなきゃダメだろー。ほら、貸せ。」

菅原は立花から弁当箱と箸を取り上げる。

「ちっちぇー弁当箱。こんなので足りるのかよ。
……ほら、口開けろ。」

ごはんを一口すくって今度は彼女の口の前に持っていくと、
一瞬ためらったが立花は素直にそれを口の中に入れた。

「ほら噛め。こら、飲み物で押し込むなって。」

もうむり、食べたくないと嫌がる立花に、菅原は次々と食べさせる。

「ほら、これで最後。がんばれ。」

最後の一口を何とか立花の口に押し込んだ時、

「お前ら、何やってんだ……?」

職員室から戻ってきた澤村に冷たい視線を送られていた。

「あ……。」

「一応ここ教室だから。考えろよ。」

「……すいません。」

予鈴が鳴ったので、立花は素早く弁当箱を片付け始めた。
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