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【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)

第6章 まわりみちの行方(後編)


「今日おばさんもおじさんも遅いだろ?うちでご飯食べてけば?」

家の前まで来て、菅原がそう提案する。

「うん……。」

「そうしろよ。あんなことがあった後だし、
家に一人ってのも心配だし。」

菅原家の玄関に入ると、彼の母が出迎えてくれた。

「おかえりなさい。遅かったのねー。
美和ちゃんもおかえり。寒かったでしょ。お風呂入る?」

そう言って立花は言われるままに脱衣所へと通された。

あまりの手際の良さに、立花も菅原も呆然とする。

立花が風呂に入ったのを確認してから、菅原はリビングに座らされた。

「さっき、美和ちゃんのお母さんから連絡があったのよ。」

「え?」

「警察から電話があったんですって。
美和ちゃん大変だったみたいじゃない?詳しくは知らないけど。
でも今夜はご両親どっちも夜遅くまで帰れないらしくて、
うちで預かってくれないかって頼まれてたのよ。」

「ああ、そうなんだ……。」

母親の説明に、菅原は納得して頷いた。

「一体何があったの?美和ちゃん目赤かったし。
あんた何か知ってるんでしょ。」

何から説明したらいいのか分からずに菅原が困った表情をしていると、

「まあ大した怪我もなさそうだから良かったわ。
孝支は無茶するようなタイプじゃないからそんなに心配してないし、
今回のことも孝支に責任はないっていうのは聞いてるけど。
美和ちゃんはどこでもあんたに着いていっちゃうんだから、多少は気を付けてあげてね。」

「……うん。やっぱりそう見える?」

こんなときに根掘り葉掘り聞かない母親に、菅原は感謝しつつ、聞いてみた。

「そりゃそうよ。あなたたち昔からずっとそうだったでしょ。」

母親の言葉が妙に胸にしみた。
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