【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第6章 まわりみちの行方(後編)
「いやいや、何言ってんの。
俺のためってなに。
俺はお前のために離れようとしてたんだけど……。
あーもう、なにこれ。泣きたいのはこっちだっつの。」
菅原は大きくため息をついてから、立花の顔を覗き込む。
手のひらでごしごしと涙を拭っているので
「こら、こするなって。目赤くなるぞ。ほら……。」
そう言ってそっと背中を叩いてやる。
「やっぱり、こうちゃんと一緒がいい。」
立花は涙声でつぶやいた。
「ばかだなあ……。」
菅原はもらい泣きしそうになるのをぐっと堪えて、
立花の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「こうちゃんと一緒がいいよぉ……。」
「うん。わかった。分かったから。」
泣きじゃくる立花の手を引いて、菅原は家に向かって歩き出した。