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【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)

第6章 まわりみちの行方(後編)


立花はずっと黙っていた。

腕は後ろ手に縛られたため、抵抗のしようもなかった。

上着のポケットに入っているスマホで、なんとかメッセージをと企んでいるが、その隙も与えられなかった。

(西谷君たちが、きっと助けを呼んでくれてる。
車から、日向君が自転車で追ってくるのも見えた。
すぐ近くにいるはず。大丈夫。)

立花は自分に言い聞かせて、落ち着くよう努めた。

「そろそろ始めるかー。」

一人の男がそう言いだして、ほかの男が立花の方を向いてにやにやする。

(なに……?)

立花の身体に緊張が走る。

さきほど日向から奪ったビデオカメラが向けられる。

「そんな怯えなくてもいいよー。すぐにひん剥いたりしないから。」

立花の足元からなめまわすように撮影しながら男が言う。
優しい口調が余計に不気味だ。

「はい、じゃあとりあえず座ろうね。」

ビデオの男の指示で、立花は他の男たちに力ずくで座らされる。

コンクリートの冷たさに身を強張らせる。

「あ、やめ……」

逃ようとして後ずさるが、すぐ壁に追い込まれてしまう。

(やばいやばいやばい……!)

必死に冷静を保ってきた立花の思考も限界に近づいていた。

「おい、スカートの下短パンはいてるぞ。」

「まじかよ。そんなもんとっとと脱がせ。」

「まだ下まで脱がすなよ。」

男たちの手が立花の下半身に伸びてくる。

「やだっ!やめてえ!」

立花はそこで初めて悲鳴をあげた。

(こうちゃん、助けて……。)
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