【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第5章 まわりみちの行方(前編)
「さっむ……。」
立花はマフラーに顔を埋め、冷たくなった耳を手のひらで包む。
11月ともなれば、部活終了時刻には完全に日も沈み気温もぐっと下がる。
立花に勉強を見てもらうと言って、練習終了と同時に体育館を飛び出した三人と合流して、学校を出る。
「部室で夏の合宿で使ったビデオ見つけたから持ってきたよ。
充電もしといた。」
「おー。さすが立花先輩。
これで動かぬ証拠をばっちりっすね!」
田中がそれを手に取って構える。
「立花先輩、ほんとに大丈夫ですか?」
日向が心配そうに声をかける。
「うん。スカートの下に短パン履いてきたし。ほら。」
「うわ!いいですって見せなくて……。」
立花がスカートをめくって見せると、日向は顔を赤くする。
短パンを履いているとはいえ、直視はできないらしい。
「この先の、商店街から国道のあたりで被害が多く出ているみたいです。
そこ行きましょう。」
西谷がリーダーシップをとってみんなに指示を出した。