• テキストサイズ

【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)

第5章 まわりみちの行方(前編)


田中のその一言で、今度は西谷が制服を着てみるも、やはり違和感は拭えない。

「せめてズラがあればなあ。」

「演劇部で借りてくるか?」

「いや、その前にノヤっさんの顔が険しすぎる。ノヤっさん、笑ってみて。」

田中の指示で、西谷は笑顔をつくるが、
ただの西谷の笑顔であって女子のそれとは程遠い。

「サイズ感はばっちりなんだけどな。」

「うーん、やっぱり足だよね。たくましい足が隠しようもない……。」

全員でなめまわすように女子生徒に扮した西谷を眺める。

「細さで言ったら月島か?」

田中が苦し紛れにとんでもないことを言うので、
全員が「ないない」と突っ込む。

「あのさあ……。」

立花が控えめに声を出す。

「おとり、私がやろうか?なんて……。」

思いもよらない提案だったが、しかしそれしか手はないと判断した田中が立花の手を取る。

「ほんとですか!やってくれますか立花先輩!」

「もう立花先輩しか頼れる人はいません!お願いします!!」

「大丈夫ですか?もし菅原さんがこんなこと知ったら……。」

万歳をして喜ぶ二人に対して、日向が心配そうに聞く。

「こうちゃんには内緒にしとくよ。
最近そんなに過保護してこないし。黙ってれば大丈夫だと思う。」

立花がそう答えると、田中がノリノリで声を上げる。

「もし何かあっても俺たち三人で犯人なんてボッコボコにしてやりますよ。
安心してください!」

「じゃあさっそく、今日の部活後に作戦決行だ!」
/ 101ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp