【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第5章 まわりみちの行方(前編)
翌日の昼休み、立花が教室にいると、廊下から名前を呼ばれた。
「立花先輩!ちょっとこっち来てください!!」
田中だった。そばには何故か日向と西谷もいる。
「なに?どうしたの?」
わざわざ3年の教室まできて何の用なのだろう。
立花は不思議に思いながら寄って行くと、西谷と日向に両腕を掴まれる。
後ろから田中が立花の背を押す。そのまま両脇の二人が全速力で走りだすので、立花は引きずられるように連れ去られた。
「ちょ、ちょっとなに!怖い怖い!!」
立花は訳も分からず悲鳴を上げる。
同じ教室で一部始終を見ていた菅原と澤村は、ぽかんとする。
「立花、最近2年の奴らと仲良いな?日向もいたけど。」
「みたいだな。田中はああ見えて根が優しいからみーも懐いてるみたいだし。
西谷も裏表ないからとっつきやすいんだろ。
日向とはもともと仲良いし。
あと、縁下にはよく勉強教えてるっぽいし。」
菅原はそう言って弁当を広げて食べ始めた。
「いいのか?立花放っといて。」
「もう子供じゃないんだから、大丈夫だべ。」
「ついに過保護卒業か。」
「そういうこと。もう決めたの。何言っても無駄だからな。」
澤村は小さくため息をついて自分の弁当箱を取り出した。