第2章 二章 雅の過去
私は今、歌舞伎町に住んでいる。
別にお金にも困ってない。
生活面では何一つ不自由はない。それも、
お父様やお母様のおかげだ。
お父様とお母様はどちらも会社を持っている。
自らが社長でいわゆるお金持ちというもの
だった。
小学校でもみんな優しかったし、
いじめてくる人もいなかった。
それもおじい様が学校の理事長だったからだ。
お父様やお母様、おじい様どれも偉い人だった。
けれどもおばあちゃんだけは普通の人だった。
だから、いつも家に帰るとおばあちゃんが
お菓子を用意して待っててくれた。
私は、そんなおばあちゃんが大好きだった。
だから、おばあ様とは言わなかった。
こんな幸せな日々を過ごしていたのに、
突然不幸が降りてきた