第7章 【VIP】首無魔騎士の部屋
「やっ、御主人やぁ、これやだぁ、怖い怖い」
ぎゅう、と菫色の頭を抱き締めてひたすら泣く少年。
「怖いと云いながら、萎えないんだからドルイアドはいやらしいなぁ」
ねっとりとした声で主人が云えば無言でドルイアドは首を振る。
くっと杯を傾け茶を飲み切り、ミュラーは椅子から立ち上がった。
「ドルイアドちゃん」
跳ねる髪を振り乱す従者の側に座り、その手を取る。
「頑張れ、頑張れ」
笑む主君に自然と少年も笑う。
主人が云う通り彼は尽くす者を取り立ててくれるこの稚君を憎からず思っていた。
白痴めいた笑顔で片手に主人の頭を抱きもう片方で姫君と手を繫ぐ。
「んっ、ドルイアド中で又大きくしないでくれ、苦しいっ」
主人が不満を述べればコロリとその頭を褥に転がしぐしぐしと手で涙を拭う。
「そんな事してませんでさぁ」
「私達の姫君を見て興奮したんだろう?体は正直だな」
主人はやっと余裕が出てきたのかクスクス笑う。