第7章 【VIP】首無魔騎士の部屋
「だ、だからって、は、破廉恥なっ!」
いつもの重装備、帯や紐や合わせにリボンが折り重なった彼の服装を見慣れている所為か酷く猥雑に見える格好だ。
「ユリシスに見立ててもらったのだけれど、おかしいですか?主…」
君主の悲鳴と態度に既に恥じ入っているのか足元のローブをモジモジと爪先で掻き混ぜる姿は……、
一一何だか愛らしく見える。
ミュラーは手を外し上から下へと視線で騎士を撫でた。
恥ずかしそうに頬を赤く染める彼。
肌が白いのでその紅がよく分かる。
「可愛いわ」
云って、女子にしては高い位置にある頭を手で撫でるミュラー。
「む、無理はしなくて良いのです。その……我が一族は騎士道に準ずる者が多く、その……」
意外に背が高い事を気にしているようだ。
「い、いつもの体に切り替えてきますっ」
急いでローブを引っ被り走り出そうとするネコの腕を掴んで止める主。