第11章 竜王の部屋
その日店を訪れたミュラーは三人の従者に伴われ建物の最上階に案内された。
「では主様、ごゆっくり」
「朝ご飯を沢山用意しておきますね!」
「お体に障らぬよう、でさぁ」
にやっと笑うユリシス。
キャッと顔を赤らめながらルチア。
ドルイアドは何故だか心配そうな顔をしている。
連れて来られたのは重厚な扉の前だ。
ルチアが前に進み出て戸をノックする。
「王、王、ルチアに御座います。お客様がお着きになられました」
彼の言葉に遠くからカン、と何かを叩く音がした。
「良きに計らえ、との事です。ではマイロード、お気張り下さいませ」
ルチアがそっと拳を握りぐっと頑張れ、と示す。
「ではどうぞ、主様!」
ユリシスが戸を開く。
「頑張って」
ドルイアドが戸の中に彼女を押し入れる。
キィィ、パタン。
戸が閉まる。