第9章 【VIP】吸血鬼の部屋
「本当に良いのかい?ファレン」
ルチアは燕尾服を脱ぎシャツに靴下という格好でレッグガーターを外しにかかっている。
その傍らに正座したヴィアトリクス。
そして全裸になり横になったミュラーがいた。
自ら足を抱え恥部を剥き出しにしている。
「いつも……優しくしてくれて有難う。私は感謝しているの、だから……」
一一私の処女をもらってほしい。
今まで数え切れない程閨を共にしてきた吸血鬼だが大事にしている女性に初めてかけられた情けにガチガチに緊張していた。
「レディ、君本当に正気かい?私はルチアじゃないんだよ?」
正座したまま宥める様に云う彼に足をもじもじ揺らす彼女。
「そうよね……こんな女の処女なんかもらっても嬉しくないわよね、あなたは」
きゅっと指先が足に食い込む。
「そ、そんな訳ないよマイロード、愛しいファレン」
小さくなって恥じ入る彼女の顔を覗き込み赤いかんばせに彼も面映ゆくなって赤らむ。