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私立薊河学園

第3章 秀徳で


黒子達が長谷川とマジバにいた頃、秀徳高校では部活が終わったところだった。

他の部員は自主練してるか帰ったかで、部室には三年生をレギュラーとマネージャーの白桜言ノ葉(しろざくらことのは)だけだった。


「本気、なのかよ…」

「まぁ、一応」

「嘘だろ…!」


大坪の返事に、白桜は小さな声で返事を返した。壁にもたれ掛かって制服の上からきたパーカーのポケットに手を突っ込んで珍しく暗い顔だ。


「おいおい…部活やめるって、どうしたんだよ!」


宮地が詰め寄る。


「そうだ。理由なしにこれは受け取れない。」


大坪の手の中には白桜が出した退部届け。


「理由なしじゃないよ…もう監督には言ってある。いつでもやめていいことにはなってるから、あんた達にも言っとこうと思って。」

「でも、おめーがやめたらこの部にマネージャーいなくなるぞ!やめるなんて無責任だ!」

「やめてよ木村、私だって悩んだんだから。」


声を荒げる木村に、白桜は顔をしかめた。うっとうしいとでも言うように。


「悩んだ結果が退部だと…!?ふざけんな!」

「ふざけてない。いつになく大真面目だ!やめるって言ってんのよ!」


壁にもたれ掛かるのをやめて、白桜は怒鳴った。


「お前なぁ…!我が儘もいきすぎだろ!いい加減にしろよ!」

「おい宮地やめろ!」


声は外まで響いていたらしい。ドタドタと慌ただしく自主練をしていた汗だくの高尾と緑間がやってきた。


「先輩達どうかしたんすか…ってちょ、何してんですか!」

「止めるな木村!こいつを一発なぐらねぇと気がすまねぇ!」

「はなして大坪!宮地なんかに負けないし!その爽やかな茶髪引きちぎってやる!!」


見たことないくらいの大喧嘩をしている先輩2人に戸惑うも、一年2人も喧嘩のおさえに加わった。


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