第13章 マジバ討論会
「へぇ。これが月バスかぁ。」
しばらくパラパラ…とめくりピタリと手を止める。緑間と月バスをチラチラ見比べ、へーだのふーんだのほーだの言ったかと思うと
「よくわかんないや」
と言うので皆さん吉本新喜劇なみにこけた。
「へーふーんほーは何だったんだ…!?」
「蓮、狙いましたね……?」
ゆっくり起き上がる寺田達。しかしわざとではない。ただたんに蓮は天然なのだ。
再びパラパラめくるると
「うぉ~~!ふぇ~!?んぇぇぇ…!ぬっ!がっ!さっ…!?なっ!お、かっ!」
「……今度は何」
「な、なななな何で国やんがのってるわけ…?気のせいかな心なしか俺に似た奴が隣に写ってるんだけど…?」
震える手でワナワナととあるページを指さすので全員が注目する。
『バスケクラブチーム超伝統古豪、沖縄スマイリーズに圧倒的勝利で日本一に!?
超新星東京オール☆スターズ!のキャプテン、副キャプテンに直撃インタビュー!
キャプテン、三船蓮くんと副キャプテン、渡辺国彦くんに密着!!!』
馬鹿でかく書かれた文字に龍平は目をハツラツと輝かせる。
「おぉ~!レンレンも国やんもすげー!俺もインタビューされたかったー!」
「俺達だって日本一にレギュラーとして貢献したのですが…?」
「…理不尽だよ。」
寺田兄弟の反応に緑間高尾はギョッとする。
「日本一…?」
「へ、どうゆうこと?」
三人から聞いた話はこうだった。
三人はバスケのクラブチームオールスターズに所属している。
そしてそこでのスタメンでレギュラーである。
部活は自由だし学校行事優先の他に特に規則はないため、部活でもバスケをやっている。
ついこないだ全国のクラブチームが集まる親善大会で強豪チームに圧勝し、見事優勝してその大会で日本一になったとのこと。
「クラブチームのたかが親善大会なのでどこも本気ではないようですが…それでも俺達が勝つことは誰も想像していなかったようですね。」
「マジか…でもお前ら部活では何も言わねーじゃん?それに一軍ですらねぇし!むしろ三軍だろ!?」
「?部活で本気だしたら土日のクラブチームで思いっきりやれねぇじゃん。」
「……部活で基礎を学び、クラブチームで発展を学ぶ…そんな、感じ」
つまり本職はクラブチームで部活は内職、ということのようだ