第11章 あぁ忙しき君
「えーと……確かにさ、俺は放送部の部長と掛け持ちして奉仕部の部長だよ?奉仕部は困った生徒の悩みを聞いて助けるのが仕事だよ?でもさ………
バスケで試合はないんじゃない。」
さすがの三船もこれは断った。目の前にいるバスケ部全員が祈るように手を合わせてくる。
「頼むっ!委員会や居残りで抜けてる奴が多くて……!」
頼み込まれると断れないのが蓮の癖である。良くないと思いながらもなおせないのでたちが悪い
「いいよ。ていうか、俺バスケできるって言ったことあった?」
「俺に一回言っただろ?」
「あ、そういえば」
制服のままではバスケができないので部室で体操服に着替え、いざストレッチ。
「三船って運動できないイメージなんだけどな…」
「あぁ、バスケ以外はできないんだ。」
背は高いが筋肉はそれほどついていないのでヒョロリとしている。ここまで言い切るのだから本当にできないのだろう。
「バスケは…クラブチームとかっすか?」
「うん……えーと…」
「火神っす。火神大我。」
「あー、よろしく。俺三船蓮。」
体を気持ちよく伸ばし、練習へ。今日は一年は黒子と火神、二年は相田と日向と伊月と水戸部だけだ。
ならばスリーオンスリーをしようとバスケ部は三船をよんだのだ。
「じゃー、三船くんと日向くんと水戸部くん。黒子くんと伊月くんと火神くんでやるわよー。」
「……」
水戸部が何か言いたげにそわそわしだした。
「コガがいねぇと何言いたいのかわかんねぇな……」
確かに日向の言うとおりだ。しかし…
「えと、何か俺に言いたげ?」
「!(コクコク」
三船の発言に水戸部は顔を輝かせる。
「あー………俺のポジションどこ的なそんななにかかなーとかなんとか言っちゃわないとかないとか。って俺何言ってんの。 」
それでも意志の疎通はできたようで、水戸部はコクンと頷いた