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私立薊河学園

第9章 とある霧崎第一


「花宮」

「ん?」

「蓮から伝言。

お前の姉ちゃん眼中にねぇカス。つか会ったことねぇブァーカ。地獄に落ちろシスコン。
蜘蛛の糸じゃなくてところてんにつかまって三秒でちぎれてさらに地獄に落ちてそれを一億六千八百九十二万三千六百四八回繰り返せ。あと木吉くんから怪我な大丈夫だって言ってたよハァト。」


いっさい表情を変えずにそう伝えられ、花宮は数秒固まった。要件を伝えた本人は用は済んだとばかりに去っていこうとしたので、急いでとめる。


「何。」

「君、彼とどういう関係なんだ?」

「そっくりそのままかえす」

「あ!名前…!!」

「渡辺国彦(わたなべくにひこ)。サッカー部副主将。キャプテン会議で何回か顔を合わせたことあるけど…」


花宮は全く覚えていなかった。渡辺はフンと鼻を鳴らすと花宮に向き直った。


「なるほど。君ってさ、性格悪いだろ。」

「何のことかな?」

「聞いただけ。蓮の友達って性格悪い奴多くてさ。例えば俺、とか…」


ニヤリと笑った渡辺に花宮はゾッとした。


「蓮は良い奴だ。頼まれたことは断らないし、自分のことは自分でやるし。でも巻き込まれ体質なのか面倒ごとに巻き込まれやすいんだよね」


渡辺は花宮に背を向け廊下を歩く。


「まぁあれだね。くだらないことで蓮の高校生活ぶち壊さないでね。」


そう言い残して
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