第8章 霧崎第一→誠凛
「ま、待って!」
「ん?」
なんと言っていいか分からず三船は猫っ毛をかきむしった。
「は、花宮くん…って知ってる?」
「花宮…?」
名前を出した瞬間、空気が変わった。やだもう帰りたいと三船は辛い心をポケットに手を入れてごまかした。
「伝言、頼まれてさ…。怪我は大丈夫か?って。」
「……花宮と君は、どういう関係なんだ…?」
伝言は無視で、木吉は戸惑った顔でそう聞いてきた。
「…………………友達」
自分で言って吐き気がしたので訂正。
「と思いきや同中だっただけ。あとメル友」
「そうか…なら伝言を頼む。大丈夫だってな。」
「それはきついな。俺は昨日の電話でとんでもないことを言ってしまったんだ。まぁ友達に伝言の伝言を頼もう」
「あぁ、頼む」
二人はお互いに笑いあい、それぞれの教室へ帰って行った