第1章 待ち合わせ
「薊河の勉強はどうですか?」
「ん?まぁ思ったほどでもなかったかな。この前の中間、一位だった。」
「マジか!?」
他愛もない話しで盛り上がっていると…
「お、黒子に火神!」
「よー、何してんだ?」
伊月と日向がやってきた。長谷川と目があうと、両者ともに首を傾げる。
「えっと…?」
「僕の部活の先輩です。」
「そっかそっか先輩か。僕、黒子くんと同じ中学出身の、長谷川晴気です。」
「あー、二年の日向順平だ。」
「同じく、伊月俊。よろしく。」
自己紹介を終え、一段落ついたところで
「キャプテンと副キャプテンなんですよ。あ、二人とも一緒に座りますか?」
「いいのか?」
「大丈夫ですよ。僕は気にしないで。」
長谷川の屈託ない笑顔に二人は了承し、席に座った。
「先輩達はどうしてここにいるんすか?」
「買い物の帰り。バッシュ見に行ったんだけど、店が閉まっててさ…」
「そーそー、そんで文房具とか雑誌とか本とか…普段買いに行かないものを百貨店で買ってたんだよ。」
二人の手には、百貨店の紙袋があった。重たいようで、床におくとドサッと派手に音を立てた。
「で…長谷川くん、だっけ。学校はどこ?」
「薊河です」
「ブフッ!」
二人は飲んでいたジュースは吹き出した。
「あはは、普通聞いたらそうなるよね。」
「薊河入るとかめちゃくちゃ頭いいんだな…」
「部活は?」
「皆と同じ、バスケ部ですよ。」
長谷川の返答に二人はホッとした。科学部だの頭の良さそうな部だったらどうしようかも思っていたのだ。
「薊河って…十年くらい前にIHとWCで優勝した強豪校だったとこだよな…」
「今は大会に出てないんだー。薊河には部活より勉強大好きな人達が多いですから。まぁ大会には出ないけど、強いよ。」
キッパリと言い切るところ、余程自信があるのだろう。
長谷川は不気味にフフっと笑った。