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私立薊河学園

第1章 待ち合わせ


「おい黒子…」


自宅からの最寄り駅に、黒子と火神がいた。


「何ですか?」

「何ですか?じゃねーよ!爽やかに何ですか?じゃねーんだよ!!」


火神は怒り狂っていた。黒子が中学の頃の友達に会いに行くからついてきてくれ、と言われたことに異論はなかった。

だがそのやってきた友達が問題だった。中学の頃の友達だと言うのでてっきりキセキの世代だと思っていたが、見ず知らずの他人だったからだ。


「僕は長谷川晴気(はせがわはるき)。よろしくね。黒子くんから君の話しを電話でよく聞いてて、会いたいなぁって。」


小柄で黒子より背が小さい。なかなかフレンドリーなのだろうか。気軽に声をかけてきた。


「そういうことなら事前に言えよ黒子!」

「言ったら来ないんじゃないかと…案外、人見知りなのかなと思ったんです。」

「お前の中の俺ってホント何なんだよ…!」


二人のやり取りを見て、長谷川はフッと笑った。


「面白いね、二人とも。えっと……誠凛、だったっけ。」

「はい。長谷川くんは薊河学園ですよね。」


その名前を聞いて火神は目を見開いた。


「薊河って…日本一頭良い学校じゃねぇか!お前すげーな!!」

「ありがとう。中1の頃から目指してたんだ。おかげで部活は幽霊部員なみにいけなかったんだけどね。」


長谷川はニコニコと笑って少し照れているようだった。


「部活ってバスケ部か?」

「うん。帝光って強豪だから部員数も多くて…。三年間、先輩や同学年や先生、挙げ句の果てに後輩にまで怯える毎日さ。一時期登校拒否になったよ。

でも部活を辞めたらバスケができないだろ?もう最後は意地で辞めなかったね。」

「へー、お前けっこう根性あるんだな。」


黒子は何だかんだ言って打ち解けた火神に安堵した。


「では、立ち話も何なのでマジバにでも行きましょう」


駅でワイワイ騒いでも迷惑だ。三人は駅の近くにあるマジバへ足を進めた。
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