第8章 霧崎第一→誠凛
プルルルプルルル…
日向と別れた帰り道に三船の携帯がなった。
「もしもーしそしてさよーならー」
『待てって』
ブチギリしようとしたがそれはできず、渋々話すことにした。
「花宮くん…君はいつも唐突だ。で、何さ」
『まぁそう言うなよ。』
電話の相手、花宮真は鼻で笑う。三船はお返しにフンと鼻を鳴らした。
『お前、誠凛なんだってな!木吉…っているだろ?』
「木吉……?あぁ、彼ね。たまに図書室に来る。で、木吉くんが何さ」
『一つだけ伝えてくれよ。怪我は大丈夫か?ってな。』
三船は携帯を叩き壊してやろうかと思ったがぐっとこらえた。
「何故俺に頼む?きっと俺と誠凛とのいざこざで遊ぼうって思ってるんだろ。てかまたラフプレーやったんだ?」
『フハッ!さぁどうだかな。』
「そういえばさ…。君って兄弟いる?お姉さんとかさ…」
適当に三船は話しをかえるが花宮が応答をしない。
『………惚れたのか』
「お?」
『姉さんに惚れたのかっつってんだ!』
「もういい死ねよっ!!!!!!!!!」
三船は携帯を投げようとして思いとどまり、足元に転がっている小石を蹴っ飛ばした。
そしてあまり飛ばなかった小石を見て、悪童がシスコンだった事件をなかったことにして家路を急いだ。
「えーと……木吉…くん…だよね…?」
「あぁ、木吉だ!それで君は誰だ?」
次の日、意を決して木吉の元へ。朝練からの帰りなのか体育館へつながる階段から上ってきていた。
「…三船蓮。」
「あぁ!図書委員の…!しゃべったのは初めてだな。何の用だ?本の貸し出し期限すぎてたか?」
「あ、いやそれは大丈夫…。明日まで、だから…」
「なら、忘れないようにいくな。」
朗らかに笑って三船の横を通り過ぎていく木吉。