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私立薊河学園

第5章 合宿開始


こうなった二軍は歯止めが聞かない。先頭集団の一軍と三軍を


「てめそろそろ疲れてんだろっ!休んでいいぞっ!」

「アホぬかせっ!どっかの筋肉が脳みそでできてるようなやつとは違うんですぅっ!」


哲と左雨が抜き去る。そして


「あいつら殴るつか蹴るまず埋める」

「コンクリ詰めして大阪湾に投げ捨てたらええねん」

「この山ごと燃やして葬りたい」

「こけて頭うって病院行ってバスケできなくなればいい」


何やら黒いオーラをまとった4人にも抜かされる。


「…何やってんだ」

「また二軍か…」

「リチャードォ、追っかけてぇ止めてこい」

「関わりたくない」

「そりゃごもっとも。」


一軍の三年は呆れ果てた。


「八乙女、あいつらほっといていいのか?」

「俺の知ったことじゃねぇよ」


奈木は八乙女をじっくりと観察して、トンと背中を押した。


「行っておいでよ。ここは俺が見とくから」

「いいのかっ!?……でも…」

「いいから。一応、俺って副部長なんだけどなぁ…?」


クスリと笑った奈木に八乙女はパァァと顔を輝かせた。


「わりぃ!行ってくる!」


全速力で八乙女は駆け抜ける。二軍に注意したかったが、部長という立場上勝手なことはできないと我慢していたのだろう。


「…いいのか?行かせて。美音が行っても意味ないじゃないか?」

「ふふ、リチャード。日本のことわざにはこんなのもあるんだよ。」


奈木はニコニコ笑顔を崩さずしゃべり続ける。


「赤信号、皆で渡れば怖くない」

「いやそれことわざですらねぇしなぁ!?しかも何、お前は八乙女くんを何だと思ってんのぉ!?」

「はは、あいつ二軍入ればいいのにー。おもしろそうだなぁあはは。」

「赤褐が黒い…」


八乙女はそんなこともつゆ知らず鬼のような速さで走っていたという…
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