第1章 休日の過ごし方(土方夢)
「………ふーん」
「何だよ、その間は」
不服そうな目を私に向けてくる
「んじゃあ、この大量のマヨは何なのかなーって思って」
「これは、非番届け出しに来た連中が差し入れに持ってきやがったんだ。山崎なんか5マヨも持って…」
(5マヨ!?え、マヨが単位なの!?)
「とにかく、わりぃが明日お前には付き合えそうにねぇわ」
「………………んじゃ、いい」
そう言ってトシの腕に抱きつく
「!!!なななっ!!!」
「…明日の非番いらない………」
「………は?」
唖然とするトシを見上げる
「だから、この書類の山手伝って良い?…そうすれば、トシと一緒にいられるよね…?」
自分で言っときながら赤面してしまう
そんな私の腕を引き、抱きしめられた
「…ったく、お前ってやつはよ」
ほんのりと煙草の匂いが鼻を掠め、お互いの顔が近づき――――
すぱーーーーーーんっっ
「土方さーん、すいやせーん」
明らかにタイミングを見計らった総悟が部屋に入ってきた
「総ちゃん!?」
「総悟…てめぇわざと…っ」
しれっとしながらもにやりと笑みを浮かべる
「あれ、土方さんともあろうお方がまさか屯所内でイチャイチャチョメチョメですかィ?」
「んなわけねえーだろ!つーか総悟てめえ!部屋に入るときは初めに声かけろ!!!」
売り言葉に買い言葉のトシを横目に小さくため息をした
すると、総ちゃんが悪びれもなくそこら中のマヨを蹴っ飛ばし、私の隣に座った
「仕方ねぇや、俺も明日偶然非番だったんですがねィ、返上して仕事付き合ってやるよ土方このやろー」
「わあ、総ちゃん本当にっ!んじゃあ早く終わるね、トシ♪」
裏の心理を知らない私は更にトシを落胆させたのだった
end
(付き合ってるからってに遠慮する義理はないんでねィ)
(…っ、こっのやろ……)