第9章 天使の手配書
(何も悪い事してないのに…賞金首?)
理不尽さに頭にきた…
自分は身を守っていただけだ、追われる理由などあるはずがない!
顔に流れた冷や汗は、怒りで既に蒸発していた。なおも苛立ち、頭部に熱が集まる
青くなったり赤くなったりするイリスの顔を見ながらグレイスは、
「で、どうなの?貴女が天使ちゃんなの?」
最初の質問を繰り返す
イリスは正直に言ってしまっていいのか悩んだが、翼を見せてしまった以上、もう誤魔化せないとも思った
「一応…それ私みたい…」
眉間の皺が深いまま、ぶっきらぼうに返事を返すイリスは、天使と噂される存在とはかけ離れた顔をしていた