第9章 天使の手配書
《東の海に天使がでる》
《神出鬼没だ》
《見たら気を失うらしい》
《すごい美人》
《出会うと幸運が訪れる》
《写真だけでも高値で取引される》
手配書と共に噂される内容は尾ひれが付いて広まっていた
「出会った海賊の話では、それらしい小舟に近づいた所までは覚えてるけど、そこから記憶が抜け落ちてるとか、なんとか…」
イリスはまったく知らなかった…
村を出てからほとんど島に立ち寄っていない
必要な物資は、襲ってくる海賊船から頂く分で十分に足りていたし、ずっと海の上にいたので人との交流も久しくしていなかったのだ