第1章 目覚めたら
置いてかれた…
イリスは何がなんだか分からなかった…
ずっと一緒に海に出ようと言ってたのに…
そのための準備だって何年も前からしてたのに…
昨日だって…あんなに…愛しあっ…
「ふざけんな…」
地を這うような声で呟くイリスに皆一歩後ずさる
ルフィも姉の本気モードに背を向けこの場を離れようとした…が
「ねぇ~ルフィ!? ちょっと聞きたいことがあるんですけど?」
呼び止められて振り向くとそこにはにこやかに笑う姉イリスの姿が…
整った顔立ちと微笑みは宗教画の聖母のようだった
怒りを微塵も見せないその顔は逆にルフィの頬をひきつらせた