第21章 砂の国
ギラギラと照りつける太陽
乾いた大地を吹きつける風は
海を渡るものとは違い、砂の匂いがした
噂をたどって島から島への旅
探し人はまだ見つかっていない
この国は広い
足取りを掴むのにも一苦労だ
だが、必ず見つける
背中の誇りに誓って
必ずあいつを、ティーチを見つける
………ついでにあいつらに会えねぇかなぁ
ドラムに伝言は残してきたが期待は薄い弟
ルフィ
そして、どこに居るのか全く分からず
ルフィより高い賞金額になっちまってる
イリス
大体、なんで1人で海に出てんだ?
待ってろって書いといただろうが
いや、いつまでも迎えに行かない俺が悪いのか?
あ~?そういや最初に約束破ったのは俺か……
会えたら会えたで、嬉しい様な怖い様な
いや、やっぱり会いてぇよな
1人にしとくのは不安だ
この海を
グランドラインを戻ることなんてもう無い
ティーチをぶった押し、イリスを見つけて一緒に親父の船に戻るんだ!
そう決意した瞬間エースの意識は途絶え、顔面を柔らかな感触が覆った
「おいあの男、倒れたぞ?」
ここはアラバスタ王国 港町ナノハナ
とある飯屋で1人の客が突然倒れた
大量の料理を次々にたいらげ、店主の語りかけにうんうん頷き、次の料理を口に入れようとした矢先のことだった
皆、遠巻きに様子を伺っている
料理に突っ伏した顔
持ち上げられたフォーク
誰かが”砂漠のイチゴ“を食べたのでは?と囁く
赤いイチゴの様な毒グモ、知らずに口にすると数日後に突然死するという
その毒は感染型で、誰も近づけないでいる
騒ぎが店の外にまで広がった
その時
「ぶっはあぁぁ~」
倒れた時と同じように男は突然起き上がった
“生き返った”と驚く客らを無視して、男は
「あ~まいった、………寝てた」
驚愕する周りを無視して食事を再開
小難しいことを考えながらメシ喰ってたからかなぁ~?
心配事はあるが、優先させるのはティーチだ
いや、今はメシか……
がつがつと食べ進めていると、不意に背後から威圧的な雰囲気を感じた
「よくもぬけぬけと大衆の面前でメシが食えるもんだな」
振り向くと海軍大佐スモーカーが入り口に立っていた