第17章 ハートの海賊団にて
「お前らを見つけて、助けようと言い出したのはベポって奴だ……」
船長さんからそう聞いて、ベポという人に直接お礼が言いたいと、イリスは周りをキョロキョロ見渡すが
「あいつはルーフス病にかかりやすい、今は風呂場で隔離暮らしをしている」
その言葉に、イリスは申し訳ない気持ちでいっぱいになり、お礼より先に謝罪をしなければと、心に誓った
そして自分もかかった、ルーフス病についての興味が湧いてきたので、今後の為にも詳しく聞くことにした
「いったいどこから感染したのでしょうか………」
「お前、海上で鳥に近づいたりしたか?」
街中や港にいるカラスやカモメより、島から島へ長距離を渡る鳥の方が、この病気に感染している確率が高い
「えっと…………鳥の群れに突っ込んじゃったことがあります………」
しばらく考えたイリスは数日前の記憶を呼び起こす…………いきなり進路を変えて自分達に向かってきた鳥の大群を避けきれず、グレイス共々、全身を鳥に包まれたことがあった
「…………それだな」
深いため息と共に船長さんに、これから出きるだけ避けろと言われた
努力します
「私よりグレイスの方が、症状が重いのは何故ですか?」
グレイスが治るには、あと3~4日かかるというが、今聞いた話だと、感染したのは同日みたいなので疑問が残った
(グレイス…………奴の名前か………)
ローはわずかに眉根を寄せる
あの男の存在が治療中も気になっていた
「そいつはお前の"男"なのか?」
先ほどから機嫌が良かった船長の、声のトーンが少し下がった
ペンギンをはじめ、船員達は目ざとくそのことに気づき、二人の会話に注目した