第17章 ハートの海賊団にて
イリスは、客室でひとり時間を潰していた
あの後、進路について相談したいと来た人が、ローを連れて行くまで、イリスはずっと彼にからかわれていたのだった
部屋まで案内してくれたペンギンに、夕飯までの間、自由にしていいと言われたので、シャワーを浴びる事にした
じっとしていると先ほどまでの醜態を思いだし、顔から火が出そうになる
手に残る感触も、この記憶もすべて、水に流してしまいたかった……………
客室にあるバスルームは簡易的だが快適で、イリスは久々の入浴を楽しんだ
いろいろな物を洗い落とし、さっぱりしたイリスは上機嫌で部屋に戻るが、着替えが無い事に気づく
医者のいる島を探していた時、少しでも長く飛べるように、いらない物から海に捨て、荷物を軽減したのだった
「……………どうしよう………」
いつまでも裸のままではいられない
あたりを見回したイリスは、自分達の荷物が部屋に運びこまれている事に気づくが、やはり着替えは無い………
部屋中探して、やっと見つけたのは一枚のつなぎ服………しかも特大サイズ
無断で借りる事になるが、今は仕方ない
イリスは、見つけたつなぎ服を自分サイズにアレンジして、なんとか着るものを確保できた
そこへ、ノックと共に声がかかる
「イリスさん?仲間に紹介するんで、食堂に行きましょう」
ドアを開けると、ペンギンさん
迎えに来てくれたようだ
「ッ…………あッ………あぁ~」
私を見るなり、ウンウン頷いている
「あのッ……コレ借りたんですけど………ダメでしたか?」
ちょっとビクビクしながらペンギンさんの顔色をうかがうと、心なしか顔が赤い、そして笑顔だ
「いっ……イイッスよ?どんどん借りちゃって下さい!」